勉強する理由
子供に「なんで勉強しなきゃいけないの!」と聞かれたら、何と答えますか?
・「将来の選択肢を増やすためだよ」
・「みんなやってるんだからつべこべ言わずやりなさい」
・「お母さん(お父さん)は勉強やってたからこうなれたんだよ」
・「お母さん(お父さん)は勉強やってなかったから後悔してるよ」
それもこれも、子供目線からすると、共通した感想になります。
「よくわかんない。」
見えない未来の話も、他者の経験も、生徒にとってはピンとこないんです。
考えてみれば当然のことですが、生徒にとっての1年と、大人にとっての1年は密度が違います。大人になってからの1年の方が早く過ぎますよね。
それだけ、生徒は1日の中でもたくさんのことを経験します。つまり、未来よりも現在に目が向くのは当然のことなのです。大人は自らの経験もあるので、つい【未来】や【過去】の話をしがちですが、生徒にとって肝心なのは【現在】なのです。
そのため、今に目を向けた声掛けが非常に重要になります。それには、生徒が今何を考えているのかを正確に読み取った上で、適切なタイミングで声掛けをする必要があります。
例えば、受検直前の生徒は嫌でも勉強に目が向いていますよね。そのタイミングで勉強しなさいは非常にナンセンスな声掛けです。例えどんなに偏差値が低い生徒であったとしても、仮に受検直前にも関わらず全く勉強していない生徒がいたとしても、勉強しなさいは最も悪い声掛けです。
他の例を挙げましょう。
新中2男子、成績オール3、部活あり、ゲーム好き。
生徒「なんで勉強しなきゃいけないの?」
回答「とは言いつつも割とちゃんとやってるよね。そうじゃないとオール3は取れないよ。提出物とか、出さなきゃいけないものとかをちゃんと出してるんだよね。ということは、やる意味がわからなくても、人並みくらいにはできちゃうんだね。それってすごいことなんだよ。だから、そこに意味が加われば最強なんじゃない?」
このように、なんで勉強しなきゃいけないの?という問に対して明確な答えは示していないものの、聞いた本人が「やってみようかな」という気持ちになればいいわけです。
もちろん、受験生になった際のメリットなどを話すことも効果的ではありますが、先述の通り、目先のことではないので、生徒には響きにくいんですよね。
「勉強しておけばよかった」という大人はたくさんいますが、
「勉強しなければよかった」という大人は1人もいないのです。
つまり、そういうことですね。やったもん勝ちなんです。
STUDYPRO 塾長 高橋将